電力業界の変革と未来像 ~カーボンニュートラル・モメンタム終焉後の世界を見据えて~ 後編

2026年6月 シニアエキスパート 奥山 茂樹
前編では、2050年時点の電力需要が現在の1.5倍に達するとの試算結果を示し、続く中編では、それを賄う供給力としてキーテクノロジーとなる次世代原子力に焦点を当て、推進における課題と解決策を考察した。最終回となる本稿では、一連のカーボンニュートラル(CN)投資が一段落し、第一優先事項ではなくなる時代を「CNモメンタム終焉後」の世界として捉える。そのうえで、その時代に業界が直面する社会的要請を明らかにし、将来に手戻りを生じさせない戦略のあり方について考察したい。

社会コスト最小化への回帰

 ベイカレントでは、CN モメンタム終焉後の世界において、電力業界が直面する最も本質的な社会的要請は「社会コスト最小化」であると捉えている。

 現在、CN 目標達成に向けた取り組みは、国家大で強力に推進されている。再生可能エネルギーや蓄電池の拡大、それに伴う送電設備の増強、CO2 回収技術などに、多額の投資が進められている。これらの投資は、賦課金などを通じて、最終的には国民負担を伴うものである。

 こうした CN 投資が一段落した後には…

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