安全保障と商業宇宙をつなぐ衛星データ活用戦略 ~航空宇宙自衛隊時代に問われる次世代宇宙基盤~
2026年7月
エキスパート
太治 佑貴
宇宙基盤の競争力は、もはや衛星を何機持つかでは決まらない。2026年前半、防衛省の衛星事業「トライサット」契約、航空宇宙自衛隊への改編、通信自律性を担うJ-LEOの採択が相次ぎ、日本の宇宙基盤は「構想」から「実装」の段階に入った。問われるのは、宇宙から得た情報を、誰が、いつ、どの優先順位で判断へつなぐかである。本稿は、自衛隊で衛星通信の運用に携わった筆者の視点から、安全保障と商業宇宙を循環させる次世代宇宙基盤の設計を考察する。
2026年前半、日本の宇宙基盤に三つの節目が刻まれた
2026 年前半、日本の宇宙をめぐる安全保障と産業の景色を変える出来事が立て続けに起きた。第一に、2 月 19 日、防衛省と特別目的会社トライサット・コンステレーション(以下、トライサット)が「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」の契約を締結した。契約金額 2,831 億円、日本の宇宙関連予算のなかでも最大級の民間資金等活用(PFI)事業である。第二に、6 月 26 日、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改編する改正防衛省設置法等が成立し、自衛隊の名称が 1954 年の発足以来初めて変わることが確定した。第三に…
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