電力業界の変革と未来像 ~カーボンニュートラル・モメンタム終焉後の世界を見据えて~ 中編
2026年6月
シニアエキスパート
奥山 茂樹
前編では、2050年時点の電力需要が現在の1.5倍に達するとの試算結果を示した上で、その需要に応え得る電源構成について考察した。その結果、再生可能エネルギーと火力発電を最大限活用したとしても、なお全体の4割の電力需要を賄い切れず、原子力が相当量を担わざるを得ないという現実を確認した。中編となる今回は、原子力が抱える最大の課題である安全性に向き合う新技術の動向を整理するとともに、原子力推進をめぐる課題と、その解決に向けた方策について考察する。
最大の課題である“安全性”を乗り越える次世代原子力
前編で触れたとおり、電力供給の増強に当たっては、日本のエネルギー政策の大原則である「S + 3E」を同時に達成することが求められる。
原子力は、このうち「3E」に関して非常に高い能力を有している。
第一の E、安定供給(Energy security)の面では、エネルギー密度が極めて高く、少量の燃料から大量のエネルギーを生み出す利点がある。さらに、燃料の長期備蓄が可能であるため、燃料供給途絶といったリスクに対する耐性が極めて高い。
第二の E、経済効率性(Economic efficiency)の面では…
全文はPDFをダウンロードしてご覧ください。
資料ダウンロードPDF(1.39 MB)