加速するエンベデッドファイナンスがもたらす 社会の変化に企業はどう対応すべきか

執行役員 和田 安有夢
米国を中心にトレンドが生まれ、日本にも波及しつつあるエンベデッドファイナンス(=埋込み型金融)。消費者はユーザビリティが高いサービスを受けられることを“当たり前”と考える日本市場において、どのような変化をもたらすのか考察したい。そのうえで、日本企業が急ぎ対応すべき課題や打ち手の切り口について、支援経験を踏まえて述べたい

ほぼすべての企業は金融サービス業となる可能性がある

 エンベデッドファイナンスは、非金融企業が自社のサービスに金融サービスを組み込んで提供する新たな形態のサービスである。
 2020 年頃から日本国内でも注目を集めている。エンドユーザーは、わざわざ金融機関の用意したチャネルへ出向かなくとも、自然な導線で金融サービスを利用できるようになる。非金融企業にとってはサービス利用の活性化、金融機関は間接的なユーザー獲得という利益を享受することができる。まさに Win-Win-Win なサービスだ(図 1)。


 我々のクライアント企業でも、既存の BtoC 向け事業だけでなく、BtoBtoC における口座振替や貸付など銀行サービスや決済サービスの検討も行っており、エンベデッドファイナンスの熱を感じている。


 海外では日本より先駆けてエンベデッドファイナンスが普及しており、米国 VC の a16z のゼネラルパートナーは「それほど遠くない将来、ほぼすべての企業が収益の大部分を金融サービスから得ることになるだろう」と発言している。
 カナダ発の……

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