モビリティ未来像(鉄道編) ~人口減少時代に求められる事業転換とは~
2026年4月
ベイカレント・インスティテュート
若林 哲
本稿では、モビリティ産業の未来を探る全3回の連作論考の一遍として、鉄道を取り上げる。長年にわたりインフラ維持更新の負担を担ってきた日本の鉄道事業者は、人口減少に伴う収益低下によって、従来の事業構造の転換を迫られている。人口減少が加速する未来を見据え、将来の鉄道事業者が目指すべき事業モデルを展望する。
インフラ負担に苦しむ鉄道事業者の存続危機
鉄道は暮らしに欠かせない公共インフラとして日本 全国にわたり発達してきた。しかし近年、赤字路線の増加とそれに伴う廃線検討に関する話題を耳にする機会が少なくない。実際、国土交通省「鉄道統計年報」や各社の公表データを基にした我々の試算では、 2019年時点で在来線526本のうち329本、つまり6割以上が鉄道事業単体では赤字であるという結果となった。
では、なぜこれほど多くの路線が赤字に陥っているのか。
赤字路線と聞くと、まず利用客が少ない路線を思い浮かべるだろう。しかし実際には、利用客が多い路線であっても赤字になっている。例えば、都営大江戸線の2023年度営業収支は32億円の赤字、OsakaMetro長堀鶴見緑地線の2017年度営業収支は41億円の赤字が公表されており、利用客の多い都市部路線であっても赤字に陥ってしまっている。 実は……
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